ちょっとめんどくさいキヤノンのオールドレンズ
レンズ情報
発売:1964年レンズ構成:5群7枚
最短撮影距離:0.4m
開放-最小絞り:F2.5-F16
絞り羽根:6枚
フィルター径:58mm
マウント:FL(FD)マウント
1964年発売とだいぶ古いレンズです。
マウントがFLマウントと言ってその後のFDと形状はほぼ一緒なんです。キヤノンのオールドレンズは現在主流になっているバヨネット式のマウントではなくスピゴット式のマウントです。
左がスピゴット式、右がバヨネット式
このマウントが結構厄介で分解する時にかなりめんどくさい上、FLマウントに完全に対応したアダプターは多分ですがありません。
マウント形状自体はFDと同じなのでFD用のマウントアダプターを使用することはできるのですが、ちょっと改造をしないとうまく嵌らない事態に陥ります(詳細後述)。
最短撮影距離は0.4mでちょっと遠く、0.3mだったらよかったなと感じます。
また開放でのF値が2.5と安オールドレンズの35mmだとF2.8~F3.5が主流なので若干ですが明るくなっています。
レンズ確認
綺麗な状態だったので特に分解清掃はせずにそのままで使用。まずこのレンズ情報で触れたスピゴット式のマウントですがこれが厄介で後ろの出っ張りが普通のマウントアダプターだと干渉してレンズを付けられないです。
FDレンズ(左)とFLレンズ(右)の比較。
FDレンズはマウントのところが平らで段差がないのがわかると思います。
FLを使用するためにはこのマウントアダプター改造してレバーを取り外すか削る必要がありました。
ちなみにこの改造をするとFDレンズをつけたときに絞りが動かなくなるので改造したアダプターはFLレンズ専用マウントアダプターになってしまいます。。。。。
次に絞りリングですが前玉側に2段付いていて銀色の部分が普通の絞りリングでその下の白いドットが有る絞りリングがプリセット絞りになってます。
先ほどのマウントアダプターの絞りレバーを動かすガイドを取り外すと絞りリング動かすだけでは絞りが動かないので、上側の絞りリングを目的のF値に合わせてからプリセット絞り側のリングを回す必要があります。
ちょっと普段使いするにはめんどくさいですね。
絞り羽根は定番の6枚で絞ると6角形になるやつです。
強い光を当てるとダメージは目立ちますが経験上このくらいなら撮影に問題ないレベルと思う。
(強い光での確認は汚れやゴミが目立ちやすい)
後玉側から見た写真
α7R IVに取り付けたところ。
正面
作例
いつもの事ながら開放では若干甘いです。ハイライト部分がボヤっとします。下の写真は真ん中を切り取ったものですが花びらの白が滲んでます。
周辺減光が結構大きいですが絞ると完全ではないものの改善します。
物に寄って撮ると広角でも背景はそれなりにボケます。
周辺部分の描写はオールドレンズらしく流れていてぐるぐるボケ傾向です。
絞るとマシになります。
その他作例はこちらから
まとめ
というわけでFL 35mm F2.5を使ってみたわけですが35mmで結構明るいレンズ(オールドレンズとしては)ということもあり楽しいレンズです。周辺部分のぐだぐだでもそのレンズの味ってことでオールドレンズらしい感じです。
しかしながら、やはりマウントの使い勝手の悪さはちょっとマイナスです。
逆にそれを楽しむのもオールドレンズの醍醐味と言えるのかもしれませんが。
あともうちょっと寄れたら良かったかなと思います。