LA-FE1はEマウントの救世主になるか?
LA-FE1はMonsterAdapterから発売されているニコンFマウントからソニーEマウントに変換するマウントアダプターです。特徴としてはAFと電磁絞りに対応している電子マウントアダプターな点です。電子マウントアダプターといえばソニーEマウント用のアダプターはキヤノンEFレンズ用がダントツで多くニコンF用はさほど多くありません(他に少ないマウントもありますが)。現在も購入できるものだとCommlite、Viltrox、焦点工房そして今回購入してみたMonsterAdapterなどのメーカーから発売されています。
電子マウントアダプターというのは基本的にはソニーやキヤノン、ニコンなどボディを作っているメーカーが自社の純正レンズ用に作った物でもない限り動作が不安定で限定的な使い方しかできず常用はキツイというのが定説です。中には評判いいマウントアダプターもあったりしますがそういうのは稀です。
ソニーEマウントで使える中ではシグマのMC-11(正確にはMC-11はシグマ製EFレンズ用の製品なので純正と言えば純正なのですが)やFringerあたりが評判の良いマウントアダプターと言えます。ではニコンF用の電子マウントアダプターはどうかというとレビューを見る限りだと使い勝手の悪い微妙なアダプターが多いようです。
そんな評判が悪いマウントアダプターが多いニコンF用アダプターの中でもLA-EF1は価格.comの口コミや海外のレビュアーの評価を見る限り比較的マシな部類で一部のレンズでは普通に使えるという評価を得ています。その中でも個人的に一番興味を惹かれたのがAF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR(以下500PF)がまともに使えるというレビューです。Eマウントレンズ広角から望遠まで多くのレンズがありますが完璧なラインナップとは言えずいくつか穴もあります。その穴の一つがミドルクラスの軽量な単焦点の望遠レンズです。Eマウントの望遠域はズームか超高価な単焦点しか望遠レンズが無く、間を埋めるレンズが今のところ無かったのでニコンの500PFはかなりうらやましいレンズでした。そのレンズがEマウントボディでも使えるとあらば試してみるしかない!!と思い今回LA-FE1と500PFを手に入れ試してみました。LA-FE1は救世主となるのかどうでしょうか。
実際に試してみる
使用前の注意点
まず初めにLA-FE1でAF機能が使えるのはGタイプとEタイプのレンズのみでDタイプやAFニッコールレンズではAFが使えないという点に注意しないといけません。ニコンのレンズに詳しくないとどれがG、EでどれがDなのか分かりづらいと思いますが、判断材料としてはニコン純正レンズであれば型番のF値の後にGとかEと書いてあるのでそこでどのタイプで判断できます。
タムロンやシグマのサードパーティ製レンズは厄介で型番では分からない物もあるのでレンズマウント面を見てAFカプラがないのがG、Eタイプ相当のレンズに当たります。一番は販売代理店の焦点工房さんが出している対応レンズリストを見て判断するのが一番かと思います。
また今回は500PFとの組み合わせをメインにテストしていますがおまけで手持ちのFマウントレンズ2本が動作するかも試してみました。ニコンのG・EタイプのAFレンズは2本しか持っていないので色んなレンズの使用可否のテストはいずれヨ〇バシに行ったときに。。。
実際に装着
α1に500PFを装着した状態はこんな感じ。
マウントアダプターに取り付けた感触はボディ側はカッチリハマってる感がありますがレンズ側は回転方向にちょっとガタツキがあります。ただレンズが外れる、光軸が曲がるようなガタつきでは無いので写りの影響とかは多分大丈夫だと思います。
また使用する時の注意事項としては重量が1300gをオーバーするレンズを使用する際はボディだけじゃなくレンズも手で支えて持つ必要があります。500PFがいくら望遠単焦点としては軽いと言っても1460gもあるのでボディだけ持ってるとマウントアダプターが壊れる可能性があります。下手するとアダプターのマウントがボキッと逝ってレンズごと落下する事も考えられますのでご注意してください。
ちなみに今回買ったLA-FE1は中古品です。お試しなので新品よりも1万円位安いのは魅力的だったこともあり中古品にしました。(それで悲劇が起こるわけですが・・・・)
AF-Sでの使用感
AFの速度自体は個人的には普通だと思いましたがAFが速いレンズに慣れている人からしたら遅いと感じるだろうなと思います。
下の写真は最短撮影距離付近からドラえもんにピントを合わせましたがカッカッカッと3段階くらいで細かくAFしてピントが合う感じです。
AF-Cでの使用感
AF-Cも爆速とは言えないですが全然使えないというほど遅い訳でなくそれなりに使えるレベルだと感じます。イメージ的にはちょっと前のAFという感じ。挙動は少しクセがあり大きくピントが外れている状態からのAFは苦手の様で、迷った挙句ピントが合わないということが結構あります。こういう場合はAF-Sにするか、MFである程度ピントを合わせの補助をしてやるとピントが合います。
特に最短撮影距離付近で静止物を撮るときはピント迷い易いのでそういう時は元来のお作法通りにAF-Sのほうがベターだと感じました。今時のカメラ・レンズはAF-Cで静止物をとってもAFが暴れないのが普通になっていますが、本来あり得ない組合せのレンズとボディなのでここら辺は目を瞑るしかないですね。遠めの被写体(10mくらい~無限遠)ではそんなに迷わなかったので被写体との距離に依るのかと思います。
飛行機をAF-C+トラッキングで撮影してみましたが追従性は結構良好で等倍で見なけれピントずれが気になることはあまりないです。等倍で見てみるとピントが外れているのは73コマ中10コマでした。純正よりは率は落ちると思いますが実用に十分な精度はあると思いました。
α1+AF-S NIKKOR 500mm F5.6E |
瞳AFがどのくらい効くか
動物園で瞳AFのテスト撮影した作例を何枚か参考に掲載しておきます。
サルの顔付近をトリミングしてすると少しピントが甘い感じ。サルは動いていたし目に影がかかってるので厳しい条件ではあります。
こちらのサルはジッとしていたので目にばっちりピントが来ています。
次は止まっている鳥を瞳AFで撮影。少し写真が白みがかっているのは檻越しに撮影しているためです。
目の付近をトリミングしみましたが、こちらはガチピンが来ていますね。止まっている鳥なら余裕そう。
バシャバシャ水浴びをしている鳥を撮ってみました。
目の付近をトリミングしてみました。これくらいなら十分ピントが来ていると言って良いと思います。
動物、鳥AFは完全とまではいかないですが思ったよりも使える印象です。
ボディによる使用感の違い
今回α1とα7IVで試してみましたが静止物を撮っている限りではそこまで差を感じませんでしたが、動きモノになるとやはりα1の方が圧倒的に良く感じました。動物園で撮影した時はα7IVだと動物が動いているとAF枠は緑色なのですが実際は追従が追い付いておらず後でよく見返すとピントが合ってない写真が多かったです。
また被写体検出精度も段違いでα7IVでは鳥や猿の目を検出できない事が多かったです。α1のスペックでゴリ押しするスタイルがベストの様です。
連写コマ数について
秒間の連写コマ数はAF-Cだと10コマ止まりですが、AF-Sの場合は保存画質を通常RAWかロスレスRAWの設定にしていると20コマ、圧縮RAWかJPGだと30コマ連写が可能です。被写体が決まった位置から移動しない物を連写で撮影する場合はAF-Sで撮った方が良さそうです。(野球の打者とか投手のような被写体)
テレコン運用
あと超望遠レンズとなるとテレコンを付けたくなる人が多いと思いますがこのアダプターとの組み合わせた場合他の方のレビューを見るとAF、連写速度がかなり落ちるらしいとのレビューがありました。自分の撮影では望遠は500mmで十分ということもありテレコンを購入していないので今のところ試せていません。
その他のレンズとの組み合わせ
500PFは結構使えそう感じですが他のレンズはどうかということで手持ちのレンズ2本を試してみました。
まずAF-S Nikkor 50mm F1.8Gを試してみましたがこれはダメそうです。絞りがうまく動きません。カメラ側の操作がを受け付けず絞られたまま動きませんでした。AF自体はちょっと遅いですが動いています。
続いてMakro-Planar 50mm F2 ZF.2を試してみました。このレンズはMFレンズですが電気接点を持っておりボディ側での絞り操作やExifデータを残すことができます。しかし試してみた結果はAF-S Nikkor 50mm F1.8G同様絞りがうまく動かずダメでした。絞り環での絞りは動くのですがボディ側で絞り値を変えてやることが出来ませんでした。
結果をまとめると電磁絞りのEタイプレンズは問題なさそうですが物理的に絞りレバーを動かすGタイプはなんかうまく動かないみたいです。
が、他の人のレビュー見ると絞りレバーで動くレンズでもちゃんと動いているようなのでもしかしたら自分の個体が故障しているのかも。。。購入店舗に問い合わせてみようかと思います。
まとめ
とりあえず500PFが前評判通り使えそうな感触で一安心です。これで全然使えなかったらショックだったと思います。今度プロ野球撮影に持ち出してみてさらに試してみようと思います。あと購入店舗に問い合わせして故障していないか確認してもらうテストもしないとね。。。ダメそうなら新品に買い替えが必要です。
→後日、購入店舗で見てもらったところ不良品ということで返品という形になりました。残念・・・。
次回プロ野球撮影編に続く