LA-FE1と500mm PFで野球撮影
はじめに
前回LA-FE1と相性の良いレンズとの組み合わせでそれなりに撮影出来ていましたが今度はプロ野球撮影のお供として使ってみた感想を書いていきたいと思います。
前回の記事はこちらからどうぞ
撮影条件
使用したボディはα1、レンズはLA-FE1経由でAF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR(以下500PF)を使用しています。またレンズは手持ちして撮影しています。AFの設定はAF-S+拡張AFかAF-C+拡張AF+トラッキングで撮影。基本的にはAPS-Cクロップの設定をONにしています。
撮影した試合は楽天生命パークのナイターゲームでライト外野指定席から撮っています。
実写確認
まずは打者を撮影。AF-Sで撮影してみましたがフォーカスの速度自体は速く無いですが概ねちゃんと合わせてくれます。たまにですが迷うときがあるので再AFすればちゃんと合いました。
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APS-Cクロップからさらにトリミングしています |
またAF-Sなのでα1だと最高秒間30コマ連写が可能です。30コマ連写ともなると適当にタイミング合わせてもバットとボールが当たる前後を簡単に撮れてしまうので歩留まりが上がります。AF-Cだとマウントアダプターの性能上、秒間の連写コマ数は最大10コマで頭打ちになってしまうの打者がミートする瞬間とかが撮れるかはタイミング次第となります。秒間30コマと10コマの違いは比較用Gifを見てもらうと分かりやすいと思います。30コマはgifにするとやはり滑らかに動いています。
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AF-Cでの秒間10コマ連写(上下に揺れて見づらくてすみません) |
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AF-Sでの秒間30コマ連写 |
ボールがバットに当たる前後の写真を比べるとAF-Cだとコマ間が長くてタイミングを外すと肝心なところが写っていないですがAF-Sだと30コマだと多少タイミングがずれても数の暴力で押し切れてしまいます。
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AF-C ミート直前 |
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AF-C ミート直後 |
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AF-S ミート直前 |
今度はAF-Cの追従性確認のため走者が2塁から3塁に走っている所(カメラから離れる方向)をAF-C+トラッキングONで撮ってみましたが思いのほかちゃんと追い続けてくれています。
島内選手の写真はホームランということもあり全力疾走ではないので条件的にはあまり厳しくないですがピントは外さず全フレームきっちり撮れています。
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gif動画 |
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JPG切り出し |
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gif動画 |
こちらは3塁からホームに走るオコエ選手をAF-Cで撮影しましたが、咄嗟に構えて撮影だったので元の設定のSS1/250で撮ってしまいブレてしまいました。これはピントが来てる云々の問題でなくて撮り手の問題でしょう。
球場が混んでいてあまりレンズを振り回せないのと単焦点だと撮れる範囲が限られるのであまり撮れなかったのですが守備中の選手も撮ってみました。捕球前に構えが間に合わなかったのが残念。ピント自体は1枚目がちょっと怪しいですが2枚目以降は問題ないように感じました。こうしてみると横の動きには強いのかも。
打者、投手を撮るのと違い守備中の野手を撮影するのはAFのパフォーマンスが重要ですがちゃんとピントは来ているので実用上は問題なさそうです。
ここまでの結論としてはプロ野球を撮る分には十分な性能を持っていると思いました。AF精度やAF-Cでの連写じゃ完全な性能を発揮出来ないにしろ十分運用でカバーできる範囲ですし何より500PFという素晴らしいレンズがEマウントでも使えるのが最高ですね。
LA-FE1の気になった、気づいた点
内面反射の悪影響
プロ野球を撮っていてマウントアダプター内部の内面反射が原因と思われるフレアやコントラストが低下が発生することが度々ありました。最初は構造上逆光に弱い500PFのせいかと思いましたが逆光に弱くないはずの他のレンズでも変なフレアが発生したのでマウントアダプターのせいだと分かりました。
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中央上部が白いモヤのようなフレアが発生しておりコントラストが低下しています。 広告に反射した光ではなく内面反射による影響だと考えられます。 |
上部分をアップにした写真です。レディー、大容量あたりのコントラストが低下しています。
もっと分かり易く出た写真は酷すぎたの思わず消してしまったのは失敗でしたが場面によってはほんとにひどいフレアが出るのでネットで売っている反射防止の素材をアダプターの内側に貼るとか対策をした方が良いかもしれません。
→後日マウントアダプター内部にKoProのファインシャット極という反射防止のシールを貼って効果が有るか確認してみました。
まずは貼る前の作例から。左上からスマホのライト当てていますがかなりひどい結果です。このままでは使い物になりませんね。
レンズボタンの挙動
500PFの側面にはAF-ON、MEMORY RECALL、AF-LOCKの機能をスイッチを切り替えて使用が出来るボタンが付いているのですがAF-ONには動作しないようです。MEMORY RECALLはそのまま使用可能、AF-LOCKはボディ側でレンズボタンに割り振っている機能が動作するようです。
防塵防滴に配慮した設計ではない
LA-FE1は特に防塵防滴に配慮した設計にはなっておらず、レンズ側にシーリングがあってもあまり意味が無いです。野球撮影では突然の雨もよくあるので使用時は慎重になる必要があります。
フリーズ発生
使っている途中で一度だけフリーズが発生しました。発生したときは画面が砂嵐の様な状態に乱れ操作を受け付けませんでした。電池を抜いてもう一度電源を付け直したらまた動き出しました。今のところこの一回だけなので頻発はしていないので良いですがこれはキワモノ電子マウントアダプターの宿命といったところでしょうか。
ファームウェア更新の遅延
去年の12月頃にファームウェアアップデートがアナウンスがされていたようですが未だにそのファームウェア来ていないのは気がかりです。現状使えてはいますが今後どうなるかは少し不安。
→この記事を書いた直後8/31に新ファームVer.03が出たようです。AF性能が改善されているそうなので今度試してみたいと思います。
まとめ
今回プロ野球撮影に投入してみましたが個人的な感想を言えば想像以上に使えるアダプターでした。多少の制約があるとは言えかなりの500PFのパフォーマンスのかなりを発揮させることが出来ました。このアダプターが有れば100-400GMと500PFの2本で楽しくプロ野球観戦ライフを送れそうです。
ただ前回あったように自分が購入した個体はGタイプレンズを使用した時に絞りがうまく動作しないという不具合が発生していたので購入店舗に一旦返品して故障かどうか確認をしてもらっていましたが結果はやはり故障しているということで返品という形になりました。
というわけで現在手元にアダプターが有りません(泣)。仕方ないので新しくもう一個買うことにしました。くそう・・・。
また今回のテストでは500PFの写りに関してはあまり言及しなかったので今度また別の機会にレビューしてみたいと思います。
LA-FE1レビューPart3はこちら