中古デジカメ購入記 FUJIFILM FUJIX DS-300

2022/06/26

FUJIFILM レビュー 中古デジカメ

t f B! P L



FUJIX DS-300の概要

FUJIX DS-300は1997年に富士フイルムから販売されたデジタルカメラです。当時のプレスリリースを読むとプロの使用に耐えうる業務用カメラというのを前面に押し出しており販売価格も248,000円とコンデジ(と言っていいのか悩むところですが)にしてはなかなか高額です。ただ同時期に富士フイルムが販売していた同じ画素数のプロ向けレンズ交換式一眼レフカメラの方は80万円台とさらに高額だったことを考えれば高コスパ機と言えるのかもしれません。

主なスペックを挙げていくとイメージセンサーは130万画素CCDセンサー、レンズは35mm換算で35-105mm F3.6-5.6の3倍ズームレンズ、最高1/1000秒のレンズシャッター、3種のAF(パッシブAF+アクティブAF+CCD AF)を連動して行うことで高精度AFを実現、ISO感度は100/400で切り替え可能などなどプロ向けということもあり当時としては高い性能をもったカメラになっています。ちなみにこの頃の他のデジカメは35万画素が普通で84万画素あれば高画素というレベルだそうで100万画素超えるカメラはメガピクセル機と呼ばれ特別視されていたようです。

個人的にはメガピクセル機と聞くと携帯電話で初めて100万画素越えのカメラを搭載したJ-SH53を思い出します。(当時は画質にいたく感動した)

記録メディアは珍しいATAカード(いわゆるPCカード)で今となっては手に入れるのも一苦労するメデイアです。CFカードをPCカードに変換するアダプター使うのが一番楽かもしれません。

またオプション品が豊富で装着することで連写可能なエクステンションユニット、電源供給ユニット、外部液晶モニター、防塵カバーなどが用意されており拡張性が高いカメラです。 

あとDS-330という後継機がありそちらは画素数などは変わらないもののビューファインダーに対応など操作性に関係する部分の改善に加え値段が198,000円と安価になっています。

購入経緯

別のカメラについて調べていた時にたまたまこのカメラを見つけ探してみたら安い動作未確認品をあっさり見つけてしまい購入。

外観・状態確認

手に入れたDS-300を見てまずデカッて思いました。中判フィルムカメラがベースの業務向け用なだけはあります。客にハッタリかますのにこのデカさは役に立ったんじゃないかと思います。

α7IVとの比較

そして肝心の状態ですがまずグリップにベトつきがあり品で触ると手にゴムが付着して不快だったので購入後すぐ無水エタノールで拭いて全部取り除いています。

グリップ以外は綺麗目だったので何も問題なく動くことを少し期待したのですが、電源を入れてみると起動はするもののレンズユニットが動かない、シャッターボタンの動きが固い、絞りダイヤルが反応しない、など散々な状態でした。

電源は点くので基板とかは無事だろうと思いつつ分解してみると筐体の内側に白錆がぎっしり発生しており、一目見ただけでヤバイ状態とわかる代物でした。

幸い基板などには白錆が発生していなかったので筐体の方の白錆をガリガリ削りクリーニングしました。レンズユニットの方は中が固着していたので手動で無理矢理何度か動かす作業を行いました。シャッターボタンも中で固着していたので無水エタノールを流しこみつつ何度も連打しました。

一通りの作業後組み直して電源を入れてみると今度は無事レンズユニットが繰り出しシャッターが切れるようになりました。絞りもちゃんと変わり問題ない模様。修理と言うには雑な作業でしたがとりあえず動くようになって良かったです。

晴れて動くようになったので各部の紹介をすると、まずレンズの光学系自体はカビやクモリなどの問題は無く表面をクリーニングするだけで大丈夫でした。またレンズの位置が鏡筒の中心に対して上に若干偏芯しているのが気になりますが設計上の都合でしょうか。

絞りの変更は一般的なレンズの様に絞り羽根を動かして絞り値を変える機構ではなく大きさの違う穴の開いた円盤を回して絞り値切り替える方式です。

動作している状態をレンズから覗けるのですがなかなか新鮮。


ビューファインダーは劣化でファインダー内の表示が見づらい状態でした。パララックス補正枠や距離計目盛が見づらく使いづらいですがこれは修理は出来そうにないのでこのまま放置です。

上面にはボタン・ダイヤルのほかに情報表示画面などインターフェースは豊富。


ズームはパワーズームでスイッチを上下することでズーム操作が可能。

そしてラッキーなことに本機が採用している記録メディアのATAカードが付属しておりすぐ使える状態でした。容量は20MBで今となってはRAW1枚撮れるかどうかってレベルの代物。

外部端子はSCSI端子、ビデオ出力、給電端子など豊富ですがオプション品を持って無ければ使うことはないでしょう。

使用感

使用方法はなかなか難解で説明書を見ないと分からない操作や項目が多いです。

SETUP項目の内容などは文字からギリギリ推測できますが、マクロモードでのAFの仕方、カードの初期化などはネットでやり方を見つけなかったら一生わからなかったと思います。

その他の使い方は基本的には一般的なカメラと変わらないので問題はないのですが、このカメラにはデジカメの特徴と言える液晶モニターがないため撮影結果を確認できないのは不便なところです。一応外付けモニタを付ければ解決できますが今となっては手にれるのが難しいですし出来れば使い勝手のいい一体型にしてほしかったなと思いますが無いもの求めてもしょうがないのでどんな写真が撮れているか家に帰るまでお楽しみといったフィルムカメラ的な楽しみ方をするのが良いですね。

電池持ちはかなり良く液晶モニタが無いことが功を奏しているのかもしれません。また使用電池はソニーのNP系で今でも入手に困らないのはメリットです。

AFに関しては思ったより速かったです。当然昨今のミラーレス一眼のような爆速とも言えるAFってほどじゃないんですが十分使えるレベルで速いです。ピント精度も悪くなく3種類のハイブリットAFが活きているのかと思います。

注意点としてはシャッタースピードが一番遅いのでも1/4秒までしかできないので暗い所で撮るときには高感度にして撮る必要があります。高感度時はかなりノイジーな仕上がりなのですがそのノイジーさが今となっては逆に面白いかも。

あと電源入れるたびにロックをいちいち解除しなきゃならないのがめんどくさいかなと思いました。電源とダイヤルボタンは分けるべきですね。

作例

130万画素だけあって今見るとさすがに解像度が足りないところです。スマホの画面だったら見れないこともない・・・わけでもなく、スマホで見ても解像度が低いのは感じられます。

作例のホワイトバランスはデフォルトだと緑色被りが酷く気になるので暖色目にしています

FUJIX_DS-300 (2)

FUJIX_DS-300 (3)

FUJIX_DS-300 (6)

FUJIX_DS-300 (10)

FUJIX_DS-300 (17)

まとめ

業務用だけあって作り自体はしっかりしたカメラとはいえやはり130万画素では用途がかなり限られ普通に使うには厳しいというのが現実。2000万画素以上のデジカメが普通となった今ではゴツいトイカメラレベルと言ったところでしょうか。

以下個人的使用方法のメモ

・SETUP方法

SETUPにモードダイヤルを合わせてサブダイヤルで項目選択し、変更したい項目で背面のSETボタンを押しながらサブダイヤルを回す。

・SETUP項目

露出補正→AF/MF切り替え→ホワイトバランス→ISO→セルフタイマー→画像品質→プレビュー?→画像解像度→撮影モード(標準/輪郭くっきり)→デジタルズーム→白黒モード→日付設定→ID入力→最初に戻る

プレビューが良くわからないですが外付け液晶時の撮影後のオートプレビューのON/OFFでしょうか

・カードフォーマット方法

Initボタンを押しながらストロボボタンを長押しする

・マクロでのAF方法

マクロボタンを押しマクロモードにする→背面のAFボタンを押すと情報表示パネルに「-----」と表示される→「-----」表示が消えたらシャッターボタンを押す

自己紹介

とんがり(@Tongari_gadget)

普通の会社員をしながらスマホを中心としたガジェットやデジカメ、オールドレンズについてのブログを書いています。

使用ガジェットリスト

とんがりのガジェット、機材 ('22/7/9)

人気の投稿

このブログを検索

ブログ アーカイブ

QooQ