富士フイルムのハイエンドシリーズの初代機
概要
富士フイルムのレンズ交換式カメラは中判とAPS-Cの2つのセンサーサイズのラインナップがあり、その中でもコンセプトによってシリーズが細かく分かれています。今回紹介するX-T1はAPS-C機の中でハイエンドのシリーズにあたるX-T一桁系の初代となるカメラです。
当時のニュースリリースを読む限りではEVFにかなり力を入れていたようで当時世界最大0.77倍の表示倍率と世界最短0.005秒の表示タイムラグを一番最初に特徴として挙げています。富士フイルムは元々フィルム時代からカメラやレンズを作っていたメーカーなのでやはりOVFの様な使用感のEVFに拘ったのかと思います。
そして富士フイルムと言えばのX-Trans CMOSセンサーや処理プロセッサーは2世代目となり高感度耐性やAF速度、シャッタータイムラグなどが改善されました。また防塵防滴構造となっているため外での撮影が多いカメラマンにはうれしいポイントです。
またX-T1は昔のフィルムカメラを彷彿とさせるクラシカルなデザインとなっており、これは現行機のX-T4にも引き継がれています。しかしX-T4は性能が飛躍的に上がった代償としてサイズが大きくなっており、コンパクトなX-T1を今でもあえて使っているユーザーも多いようです。
購入経緯
富士フイルムのミラーレス機は過去にX-T20、X-E4を持っていたことがありましたが色々思うところがありいずれも手放しています。その後やっぱり富士フイルム機が1台欲しいと思い兼ねてから狙っていたX-T1の中古美品をヤフーショッピングで今回は購入しました。
外観・動作確認
今回購入したカラーはグラファイトシルバーです。富士フイルムはハイエンド機でもカラバリが有るのが良いですね。
写真のX-T1は既に何度か使った後のものですが購入時の状態はほぼ新品で付属品は使った形跡なし、外観は傷どころかマウントの擦れもほぼない状態でした。
そして何気なくシャッター回数を調べるサイトで確認してみるとなんとたったの131回でした。
シャッター回数が1000~2000回くらいの中古デジカメは今までも何度か買ったことはありましたが131回は過去イチで少ない数です。当然この数字が間違っている事もあるかもしれませんが状態の綺麗さから考えるとかなり使用回数が少ないのは間違いなさそうです。
背面液晶に保護ガラスは貼るつもりなかったのですがあまりにも綺麗なボディだったので保護ガラスを購入して貼りました。
富士フイルムらしさが表れているクラシックなダイヤル群がたまらない。
防塵防滴構造らしいですがSDスロットカバーは若干頼りなく感じました。
オークションで投げ売りされていたLサイズの純正グリップを付けてみましたが思っていたよりグリップが大きくてX-T1のサイズ感が損なわれてしまい買ったことを若干後悔。という訳でSサイズのプレートを購入。こちらはグリップ部分が無く底の部分しかないのでX-T1のスリムさを損なわず良い感じです。
普段はプレートのみ運用で望遠レンズつける時などはグリップ付きの方を付けるようにしたいと思います。(と言ってもXマウントの望遠レンズを買う予定はないですが・・・)
使用感
X-T1は8年前のカメラですが大まかな部分では今のカメラとさほど変わらない使用感です。これは富士フイルムがファームウェアのアップデートをコツコツ続けた賜物で、現時点での最終ファームウェア更新が2020年9月になっています。今後もしてくれるかは分かりませんが6年もの長い間アップデートしてくれるのはユーザーとしてはありがたいと思います。
富士フイルム機はX-T20、X-E4など使ってきましたがファインダーの第一印象はX-T1が一番良かったです。斜めの線が有ったりするとジャギジャギしたりしますが見やすく感じました。
ダイヤルに関しては富士フイルム機のアイデンティティとも呼べる部分で無駄に回したくなるカッコよさがあります。自分が普段の撮影するとき絞りオートで撮ることが多くあまりいじることはないのですが・・・。
そして富士フイルムのカメラといえばのフィルムシミュレーションですが、X-T1でも健在で最新機種と比べると種類は少ないですが十分楽しむことができます。個人的にはクラシッククロームが一番好きで多用していました。
使っていて唯一気になったのはAF周りです。
主にレンズはViltroxのAF23mm F1.4 STMを使っていましたが、場面によっては静止物でもピントを外します。純正レンズではなくサードパーティ製レンズとはいえ結構な確率で外すのはなかなか厄介です。DMFに設定しておいてAFで大体合わせてMFで最後合わせこむという方がいいかもしれません。ピント拡大がデフォで押しやすい所に配置されていますしね。
あとAF-Cは今時のカメラの様にビシっと定まらず前後うろうろするので撮っていて鬱陶しく感じるレベルでウォブリングが発生します。基本的にはAF-Cは使わずAF-Sで撮影が安定だと思います。
作例
撮影に使ったレンズはCanonのオールドレンズのFD 50mm F1.4 SSCとViltrox AF 23mm F1.4 STMです。Flickrにまとめて上げているのでそちらを参照ください。
1600万画素なのでいまのデジタル一眼と比べるとちょっと少ないですが普通に使っている限りではあまり気になることはないと思います。
ただ富士フイルム機でよく話題になるポップコーン現象はX-T1が出た頃は健在なので注意が必要です。
Viltrox 23mm F1.4 STMは価格が安いレンズながらも明るいF値としっかりとしたシャープネスを持ち合わせた良いレンズなのでおすすめです。
まとめ
古いとはいえさすがハイエンド機と言ったところで今でも十分使えるレベルのカメラです。ボディ内手振れ補正搭載や動画機能向上により巨大化した現行機と比べるとコンパクトなサイズながらX-E系の様な使い勝手を犠牲にしていないデザイン、X-T二桁機の様にコストダウンされた安っぽさが無いといった点ではX-T1はとても魅力的だと思いました。
今回手に入れたものはかなりの美品でしたし、好印象なので今度こそ富士フイルム機を手放さないようしていきたいと思います。