ユニット交換式デジカメとは?
概要
GXRとはリコーが2009年に発売したレンズ交換式ならぬユニット交換式カメラです。普通のレンズ交換式カメラはボディ側にイメージセンサーがありレンズを取り替えますが、GXRの場合背面液晶とボタン、電池だけのボディにレンズとセンサーが一体化したユニットを差し込むという奇抜なシステムです。
レンズとセンサーをユニット化することで個々に独立した光学設計が出来るので設計の自由度が上がるというメリットがある反面、コンデジのようにユニットのセンサー性能が時代遅れとなるとレンズの価値も落ちるのでレンズとしての資産価値があまり無いという欠点もあったようです。
また2011年にはMマウントレンズを取り付け可能なユニットが発売されており、コンパクトなMマウントカメラとしても使うことが可能になっています。このユニットは今でも人気があるので他のユニットと比較しても高価な値段で取引されています。
購入経緯
このカメラとの出会いは発売前まで遡ります。当時このカメラに関わる仕事をしていたのですが、その頃の自分は1ミリもカメラに興味が無かったのと仕事も上手く行かずでこの仕事つれ~と思ってばかりいたのでGXRという特殊なカメラを見ても「ふーん」という感じでこれといった印象がありませんでした。
その後、別な仕事へ移ったのと当時から時間もかなり経ったこともあり存在をコロっと忘れていたのですが、YoutubeのおすすめでGXRを紹介する動画が出てきて見ていたら懐かしい気分になり動画を見終わった後に気づいたらネットで中古品を購入してしまいました。
カメラに全然興味なかった自分が後にカメラにハマって発売10年以上経ってからGXRを買うなんて当時は思っても見なかった事でしょうね。
外観&動作確認
まずはGXR本体の方からですがネットの中古カメラショップで購入したものでランクがB級品だったこともあり使用感はそれなりにあります。
背面液晶にも小傷はそれなりにあり、画面を消していると目立ちます。
ただ画面を点けたときの視認性は問題無し。ドット数も多くこれ位の液晶であれば今見ても悪くないですね。
ストロボ付きですが上に向けられないので指で押さえて無理やりバウンスとかはできません。
記録カードはSDカードで32GBまで対応。64GBのSDは認識しませんでした。
オークションで純正予備バッテリーが安値で出品されていたので一応購入しました。
次にレンズユニットの方ですが購入したのはGR LENS A12 28mm F2.5です。
35mm換算で28mmという焦点距離はリコーイメージングの代表格とも言えるコンデジのGRシリーズと同じですね。 センサー再zは現行のGRIIIと同じサイズのAPS-CセンサーでF値が若干明るいのが特徴。画素数は1200万画素です。
ユニット差し込み部分はこんな感じで昔のPC機器を差し込むような感じ。
起動するとビョーンとレンズが伸びます。
実は最初A16 24-85mmというズームレンズ搭載のユニットを購入していたのですが初期不良で1、2回起動したら起動しなくなり返品となってしまった為、28mm F2.5を買い直しています。
使用感
使用感に関してはかなり言いたいことがありますが、まずは良い点から挙げたいと思います。
サイズ感が素晴らしいです。GRよりは大きいですが、通常のレンズ交換式カメラと比べたらかなりコンパクトサイズです。ズボンのポケットに入るというほどでもないですが鞄に入れておくサブとして持って行くには丁度いい感じです。
ホールド感はかなり良く軽いので片手でもしっかり握れます。
実は使用感でいいなと思ったのはぶっちゃけこれだけです。ここからはちょっとこれは・・・と思ったところです。
まずスポットAF時のポイントの変更がめんどくさいです。変更までにADJボタン押して、AFの項目選んで、AFモードを選んでようやく変えられます。また設定でグリッド表示をするとAFエリアが見えなくなるのも面喰いました。
あと昔のカメラでよくあることなんですがメニューで決定ボタンがMENU/OKボタンじゃないことです。説明するとメニュー画面開くとメニュー内の決定ボタンが十字キーの右が項目選択になっていてMENU/OKボタンを押すと撮影画面に戻されます。慣れないとこれが結構イラっときます。
AFに関しては決して速くはなくジーコジーコ鳴りながらのんびり焦点が合います。AFは諦めてF8迄絞ってフォーカス固定のスナップモードで使おうかなと思うくらいです。またAFを外すことも多いので、もうそういうカメラだと思って割り切って使うしかないですね。
また最高シャッタースピードの仕様に癖があり仕様上は最高1/3000となっていますがこれは絞りF7.1まで絞った時のみで絞り開放だと1/1000まで落ちます。これが結構厄介で日中絞り開放のF2.5で撮っていたら1/1000を超える場面なんてのはざらにあります。なので日中に撮影する場合は露出オーバーになる場面ではあきらめて絞るか、NDフィルタが必須となるので使い勝手が悪くなります。
あと撮っている時思ったのですがRAW+JPG設定だと書き込み時間が結構長いです。ネットで情報を見る限りレンズユニットとボディをつなぐコネクタの通信速度はあまり速くないようでそれがボトルネックになっているのかなと思いました。
こんな感じで他にも細々とした気になることは使っていると結構あります。
作例
ボリューム満点なコメダのサンドイッチ
F22まで絞って光条を出してみた写真。
ここら辺はビビッドで撮影。嫌味が無くさわやかな感じ。
抜けの良いスカッとした絵作りですね。
GRと言えばモノクロですがGXRも設定でハイコントラストにして撮影するとなかなかいい感じです。
写りは今見ても十分行けるなと思います。ヌケのいいスカッとした写真が撮れますし、やはり白黒モノクロがさすがリコーのデジカメという絵作り
ここに載せた作例以外にもFlickrに色々投稿しているのでそちらも見てみてください。
まとめ
以上、特殊なカメラシステムを持つGXRの紹介でした。レンズ交換式ならぬユニット交換式カメラというギミック自体は長く続かなかったということから商業的には失敗だったんでしょう。
使い勝手は昔のカメラというのを差し引いてもちょっとなぁということが多いですが写りは本当にいいのでです。
今回紹介したユニットは広角のA12 28mm F2.5だけでしたが50mmマクロや28-300mmの高倍率レンズ等試してみたいレンズユニットが他にも色々あります。特に返品したA16 24-85mmが動かなくなる前に数枚部屋の中を撮っていたのですが色味がかなり好みだったのでいつか手に入れたいと思います。