フィルムカメラを使ってみる 4台目 PENTAX MZ-S

2022/02/17

Pentax フィルムカメラ レビュー

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ハイパーな操作ができるカメラ

PENTAX MZ-Sとは

2001年にPENTAXが販売したフィルムカメラで独特な見た目が特徴です。パッと見ウルトラマンに出てくる怪獣のジャミラに似ています。当時のMZ-Sの紹介ページがリコーのホームページにあるので見てみると操作性にかなり力を入れていたようでこの特殊な形もその一環の様です。

形状以外の特徴としては露出の切り替えが快適に行えるハイパーオペレーティングシステム(台風で暴走したりはしない)が採用されています。これは現在のPENTAXカメラでも採用されているハイパー操作系ってやつですね。

あとWikipediaによるとこのMZ-Sをベースとしたフルサイズデジタル一眼の開発が進められていたようで世界的な映像機器の見本市でK-1という名前で出展されていたそうです。結局そのK-1は高価過ぎるということで開発は凍結されてしまいます。その後設計をし直したPENTAX K-1が発売されるのは15年後の事となります。

ちなみに幻となったK-1のセンサーは前回紹介したフィルムカメラContax N1ベースのContax N Digitalと同じセンサーを搭載を検討していたようです。(開発止めたのは賢明な判断?)

購入経緯

MZ-Sの存在は1、2年くらい前にフィルムカメラを調べていた時に見つけて知りましたが、その時は面白い形だなーくらいにしか思っておらず欲しいと思っていたわけではありませんでした。

今年になってふらっと寄った中古カメラ屋でMZ-Sが置いてあるのを見つけ触ってみたところ写真で見た印象と違い思ってたよりカッコよくて質感もよく感じました。値段もネットの中古相場よりもいくらか安い値段だったこともあり勢いで買ったのが購入経緯。

外観

最初にも書きましたがジャミラっぽい独特な形です。

買うとき店員の人が言っていたのですが、発売された当時この形状はあまりウケが良くなかったようで当時のカメラ好きなおじ様方はMZ-Sの斬新すぎる形にちょっと引いてたらしいです。

肩液晶はダイヤル内側にあり、斜めに配置されているため見やすいです。

グリップはさほど大きいわけじゃないですが握るには問題ないくらいの大きさです。

背面のAFボタンの位置も特徴があります。

フィルム室は綺麗でした

レンズを着けてみたところ。やはりPentaxカメラにはLimitedレンズが似合う。

使用感

ペンタックスが力を入れていた操作性ですが個人的には微妙に感じる点が多いです。

まずダイヤルが固くかなり回し辛いのでファインダーを覗きながらの操作が困難です。ググるとダイヤルが回し辛いと言ってる人は自分以外にもいたので個体差というわけでもなさそうです。あんまりにも回し辛いので結局は撮る前に液晶を見ながら設定して撮影という古いカメラのような使い方をしていました。

左右のダイヤルが固くて回し辛い

ハイパーオペレーティングシステムは最初はかなり煩雑に感じました。慣れるとグリーンボタンや絞り操作で露出モード切替が簡単にできていいなと思うこともありますが容易に変えられるのが災いしてにいつの間にか意図しない露出モードに変わってたりするのは難点です。

PENTAX伝統とも言えるグリーンボタン

そしてAF測距点の選択方法も微妙で、レンズ横のスイッチをSELに合わせながらダイヤルで操作でし辛く、現在選択している箇所はファインダー内と肩液晶に小さく表示されるだけで測距点が光ったりしないのでかなりわかりづらいです。撮影中にこれは無理だと思ったので中央一点のみで使用していました。他社は2001年当時すでにスティックやパッドでAF測距点を選択するようなシステムや測距点が光るなどの機能を持つ機種は既に出ていたのでMZ-Sもそうして欲しかったなと思います。

AF測距点を変えるにはSELにスイッチを合わせながらダイヤルを回すという面倒な操作が必要

良い点としてはフィルムに撮影データを印字する機能がデフォルトである点です。普通はオプション品を買ったりしないといけないのが多い中、デフォルトで対応しているのはかなり良心的だと思います。


あとシャッター音が小気味いいというかキレのある音がするのも良いです。Nikon F100やContax N1のシャッター音とはまた違った味です。そしてシャッタースピードの最高速が1/6000と中途半端な数値ですが、これは使用しているシャッターユニットが1/8000が安定して出ないため安定して出せる1/6000まで落としたという話をネットで見かけましたが真偽は不明。

AFに関してはPENTAX機はあまりいい印象が無いのですが使ってみた感じでは同時期のNikon、Canon機と比べてやはり弱いかなというのが正直な感想。AF合焦音が鳴っても本当に合ってるこれ??って若干不安になることも。

作例

フィルムはKodakのGOLD 200を使用しています。レンズはsmc PENTAX-FA 43mmF1.9 LimitedとTAMRON SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROで撮りました。デジタイズはEOS RPとNegative Lab Proで行っています。

PENTAX MZ-S + KODAK GOLD200_01 (7)

PENTAX MZ-S + KODAK GOLD200_01 (13)

PENTAX MZ-S + KODAK GOLD200_01 (17)

PENTAX MZ-S + KODAK GOLD200_01 (22)

PENTAX MZ-S + KODAK GOLD200_01 (14)

まとめ

以上PENTAX MZ-Sを使ってみたでした。特徴的なフォルムは個人的にはかなりお気に入りです。操作も特徴的で慣れてないと面食らう部分もありますが今となってはこれはこれで楽しいと感じます。(ダイヤル操作はやはり微妙だけど)

また今回勢いでMZ-Sを買ったんですが、実はPentaxのKマウント用レンズは和製ズミクロンことRIKENON50mmF2といったオールドレンズやジャンクカメラについてきたキットレンズくらいしか持っていなったため、急遽smc 43mmF1.9 LimitedとTAMRONの28-75mmを買いました。カメラ一台買うと仲間を引き寄せますね。。。

自己紹介

とんがり(@Tongari_gadget)

普通の会社員をしながらスマホを中心としたガジェットやデジカメ、オールドレンズについてのブログを書いています。

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