EF-RFのマウントアダプターはバリエーション豊か
EFレンズをRFマウントに変換するマウントアダプターはCanon純正だけでも4種類あり、単純にRFマウントで使えるようにするもの、コントロールリングが付いているもの、ドロップインフィルターが付いているもの、フォーカルレデューサー付いているもの(C70用)とバリエーション豊かです。特にドロップインフィルター付きのマウントアダプターはNDフィルターやC-PLフィルターを入れられるのでかなり有用なアイテムです。
しかし、純正アダプターは単にEF→RFに変換する物は手ごろな値段ですがドロップインフィルター付きはC-PL付属だと4万円前後、可変ND付きになると5万円前後と結構なお値段をするのでなかなか手を出しづらいです。
そこで目を付けたのがCommliteのC-PLフィルター内蔵マウントアダプターです。これは純正のドロップインフィルター付きマウントアダプターと同等の機能を持ちながらも値段がなんと純正の約4分の1の価格で買えてしまいます。この商品自体は最近出たものでレビューが全然無いのですが、既にCommliteが販売しているAF機能のみのEF-RF変換アダプターは純正並にAFが動くということらしいので安いし面白そうなんでAliexpressで試しにC-PL付きを1個買ってみました。最近ようやく届いたので実際に使えるものなのか早速試していこうと思います。
外観
まず箱はこんな感じ。特別何か言うところもないです。
そして実物。ロゴの主張は激しい。
ドロップインフィルターを取り出してみたところ。新品のはずですがホコリがついていました。中華通販らしい。
EF 40mm F2.8 STMを取り付けてみたところ。ロゴの左側のダイヤルを回してPLの効き具合を調整します。
RPにつけてみます。センサーのホコリガードっぽい。
追記:後で気付いたのですが付属のドロップインフィルターはC-PLフィルターのみ取り外せるようになっているので、C-PLフィルターなしの素通し状態で使用することも可能でした。
EF40mm F2.8 STMとの組み合わせはそんなに違和感ないです。嵌め合いもレンズ側、ボディ側どちらもしっかりしています。
上から見た時ロゴが中心に来ないあたりにデザインの詰めの甘さを感じる。
使用感
まずAFですが手持ちのEF40mm F2.8 STMやSIGMA 50mm F2.8EX DG Macroでは問題なく動きました。AFの速さはEF40mm F2.8 STMは遅いですがそれ以外のレンズは許容範囲といったところ。正直もっとひどいのを想像していたので拍子抜け。
ただ手持ちのレンズはEF40F2.8や50EXDGマクロ以外はフィルム時代のものばかりでテストとしては微妙だと思いヨド〇シに行っていろいろなレンズで試してきました。結果は以下の通りです。(テスト結果は2021/7/25時点のものです)
Canonレンズ
- EF24mm F1.4L・・・問題なし
- EF35mm F1.4L・・・問題なし
- EF35mm F2・・・問題なし
- EF50mm F1.2L・・・問題なし
- EF50mm F1.4・・・問題なし
- EF50mm F1.8STM・・・問題なし
- EF85mm F1.8・・・問題なし
- EF100mm F2.8L Macro・・・問題なし
- EF135mm F2L・・・問題なし
- EF11-24mm F4L・・・11mm側の最短撮影距離付近でAF合い辛い
- EF16-35mm F2.8L III・・・問題なし
- EF70-200mm F2.8L II・・・問題なし
- EF28-300mm F3.5-5.6・・・問題なし
- EF100-400mm F4.5-5.6 II・・・問題なし
- EF-S55-250mm F4-5.6(APS-C用)・・・自動クロップ有、動作問題なし
Tamronレンズ
- SP 35mm F1.4 F045・・・問題なし
- SP 35mm F1.8 F012・・・なぞの丸が出る
- SP 90mm F2.8 F017・・・問題なし
- SP 15-30mm F2.8 A041・・・問題なし
- 17-35mm F2.8-4 A037・・・問題なし(若干AFが遅い気がする)
- SP 24-70 F2.8 A032・・・問題なし
- 35-150mm F2.8-4 A043・・・150mm側のAF遅い
- SP 70-200mm F2.8 A02・・・問題なし
- 100-400mm F4.5-6.3 A035・・・400mm側のAF遅い
- 18-200mm 3.5-6.3 B018(APS-C用)・・・自動クロップ無し(通常動作)、動作問題なし
SIGMAレンズ
- 35mm F1.4 Art・・・問題なし(若干AFが遅い気がする)
- 105mm F1.4 Art・・・問題なし
- 24-35mm F2 Art・・・問題なし
- 24-105mm F4 Art・・・問題なし
- 150-600mm F5-6.3 C・・・問題なし
いずれのテストもボディはEOS RPを使用していますのでR5やR6では違う結果がでるかもしれませんが店舗の中で簡易テストした結果ではおおむね普通に動きました。ただタムロンのレンズとは相性が悪いのかAF動作がゆっくりなものがあったり、SP35mm F1.8の様にJPG画像だと周辺に謎の円状の模様が出たりするものがあります。謎の模様はRAWで見ると消えるのがほんと謎。タムロンレンズはファームウェアが古いとEOS R系でちゃんと動作しないって話もあったのでそれの影響もあるのかも?
またEXIF情報についてはデジタル対応レンズならばすべての情報がしっかり残っていました。古いフィルム用レンズだとレンズ名の情報が残らず焦点距離と撮影設定のみだけ残ります。
C-PLフィルターの効果をテスト
C-PLフィルターについても試してみます。C-PLフィルターは光の反射をコントロールできるのものでガラスの反射などで試してみると効果は分かりやすいです。
右の写真はC-PLの効果が効いていて色々な光の反射がしっかり抑えられています。
気になる点
マウントアダプターをボディ側に付けたままレンズ交換すると電源が点かなくなる
電源オフ時にマウントアダプターをボディに付けたままレンズを付け替えると電源がつかなくなるという現象が発生します。古いフィルム用レンズを使用している時多発するのレンズが原因かと思いましたが比較的新しいEF40mm F2.8 STMや他のレンズでも発生するので関係はなさそうです。
ただヨ〇バシでいろいろなレンズを試しているときは同様の現象は見られず普通にアダプターはボディに付けたままレンズだけ交換しても電源がつかなくなることはありませんでした。謎です。
この現象が発生した場合、対処法としては電池を一回抜いて再度入れなおして電源を入れれば復活します。
(追記)純正アダプターの場合、レンズ交換する際はマウントアダプターをボディから一度取り外して交換することを推奨しているためこのアダプターが悪いというよりボディの仕様という可能性もあります。
バヨネットのストッパーが機能してない
マウントアダプターのバヨネット部分に回転止めのストッパーが付いているのですが、Commliteのストッパーはネジで代用しており純正のものより背が低い形状です。この背の低さが災いしてレンズを取り外すときに本来止まらなければならない位置で止めることが出来ず通り過ぎて回ってしまいます。回りすぎてしまうとマウント内部にキズを付けたり、破損の原因にもなるかもしれないのでこれはちょっといただけない点です。レンズ取り付け時はボディ側についているストッパーが効くので問題はありません。
Commliteの方は小さいネジがストッパー替わりになっている |
ファームウェアのアップデートサポートは無し?
こういったマウントアダプターにはファームウェアアップデート用のUSB端子が付いていることが多いのですがこの商品には付いていません。現状は十分動いているので問題はないのですが、今後ボディ側のアップデートの影響で動かなくなることも考えられ、その場合の対策方法がないのはちょっと不安なところです。幸い値段が安いので使えなくなったらしょうがないと割り切ることはできます。