概要
Mi11 Lite 5Gが7月2日についに日本でも発売されました。発売早々にSIMセットの販売は売り切れが続き人気のようです。スペックを見てもシャオミらしいコストパフォーマンスに優れた機種なのでみんな飛びつくのも頷けます。
そしてシャオミは4月にもコストパフォーマンスに優れるRedmi Note 10 Proも発売しています。こちらも人気がある機種で2021年の4月5月の売り上げランキングでは首位と絶好調です。
シャオミ端末の中でMiシリーズはメインストリーム、Redmiシリーズは廉価モデルという位置付けですが、今回のMi11 Lite 5Gは"ライト"を冠しているだけありMiシリーズの廉価版にあたる機種です。どちらも廉価版の機種となると何が違うのかは気になる部分だと思います。
というわけでそんなMi11 Lite 5GとRedmi Note 10 Proで何が違うのか比較していきます。
各種比較
外観
まずサイズ感ですがMi11 Lite 5Gの方はカメラは多少厚みがありますが持つ部分は薄いデザインなので持っている時はかなりスリムに感じます。Redmi Note 10 Proを触った後だと特にそう感じます。
カメラの厚みは歴然としています。
重さについてもRedmi Note 10 Proは200g近くあり長い時間持っていると疲れがありますがMi11 Lite 5Gは本体のみの場合159gと軽いため疲れがあまり溜まらないのはメリットだと思います。
背面はどちらもすりガラス調の材質ですが、Redmi Note 10 Proはグラデーション+メタリックなカラーリングに対してMi11 Lite 5Gはパステル調の単色カラーです。見た感じはMi11 Lite 5Gはかわいい感じ、Redmi Note 10 Proはギーク感があります。
処理性能
2つ共にストレージ容量、メモリ容量は一緒ですがSoCに違いがあります。Mi11 Lite
5GはRedmi Note 10 ProのSnapdragon
732Gよりも上位のSnapdragon780Gを採用しており、処理性能のベンチマークテスト結果ではあらゆる項目でMi11
Lite 5Gの方が上だと分かります。
各種ベンチマーク結果は以下の通りです。
ベンチマークだけではなく実用上でもMi 11 Lite 5Gの方がアプリの起動、スクロール、画面切り替え等の動作がサクサク操作出来る気がしますが、Redmi Note 10 Proも別に遅いわけではなく並み以上の性能があるので実際に困ることは少ないと思います。ただしゲームの場合ベンチマーク結果がもろに反映されるゲームもあります。自分が試した限りだとプロスピAのエフェクトをオンにしてもあまり差はありませんでしたがNieR RE[in]carnationあたりの最高画質だとMi11 Lite 5Gの方が明らかに滑らかに動いていました。ゲームも重視するならばMi11 Lite 5Gの方が無難な選択です。
またSnapdragon780GはプロセスルールがSnapdragon732Gよりも微細化が進んでいる為、バッテリー持ちにも寄与すると思われます。後のほどテストしますのでそちらを参照してください。
ディスプレイ
ディスプレイに関しては一長一短がありどちらが上というのは簡単には言えない部分です。
例えばRedmi Note 10 Proの方が有利な点としては画面サイズ、明るさ、リフレッシュレート等が挙げられます。特にリフレッシュレート120Hzというのは廉価機種ながらハイエンド機並の性能と言えますし、ディスプレイの明るさが1200nitは驚異的です。シャオミの担当者がディスプレイに力を入れた機種というだけあり基本性能が高めと言えます。
Mi11 Lite 5Gもディスプレイ性能が悪いわけでは無くHDR10+対応、10bitカラー対応など別方向からディスプレイ強化のアプローチしています。
それぞれどういった見え方をするのか比較しています。(Mi11 Lite 5Gは最初に貼ってあるフィルム、Redmi Note 10 Proはガラスフィルムが貼ってあります)
画面サイズとフロントカメラ位置を比較。左がRedmi Note 10で右がMi11 Lite 5Gです。
強い光を画面に当てて表示してみると暗いはずのMi11 lite 5G(右)の方が見やすい感じがします。
リフレッシュレートの比較動画
120fpsで撮影した動画30fpsに変換してスローモーションの動画にしています。Redmi Note 10 Proの方が滑らかに動いていると思います。(ノイズが乗っていますが変換したときのもので実際は綺麗に映っています)
HDR動画を再生したときの見え方を比較してみます。
上:Mi11 Lite 5G、下:Redmi Note 10 Pro |
HDR動画を再生した時はMi11 Lite 5Gの方が低照度の場面の時黒つぶれせず綺麗に表現出来ているのがわかると思います。これはMi11 Lite 5GがHDR10⁺に対応している恩恵だと思われます。
※HDR10+とは
HDR10の拡張規格のことでHDR10は表示するにはそれなりに高価なディスプレイが必要でエントリーやミドルクラスの明るくないディスプレイで表示するとうまく表示できない欠点がありましたが、HDR10+はエントリーやミドルクラスのディスプレイの限られた輝度表示能力に合わせて明暗表示を最適化することで綺麗な映像を楽しめるようになります。
次に10bitカラーと8bitカラーでの見え方を比較してみます。
上:Mi11 Lite 5G、下:Redmi Note 10 Pro |
上:Mi11 Lite 5G、下:Redmi Note 10 Pro |
上:Mi11 Lite 5G、下:Redmi Note 10 Pro |
色味が若干違いのはディスプレイのクセだと思うので一旦置いておきますが、10bitと8bitの違いはぶっちゃけよくわからない(笑)
そもそも取り扱ってる画像がJPEG主体ならあんまり変わらないかと。。。
※10bitカラーとは
スマホやPCディスプレイで一般的な8bitカラーディスプレイは表示出来る色が1677万色なのにたいして10bitカラーディスプレイは10億色もの色を表示できる為、階調豊かな表現が可能
最後に横からた時の見え方を比較。
左:Mi11 Lite 5G、右:Redmi Note 10 Pro |
左:Mi11 Lite 5G、右:Redmi Note 10 Pro |
こんな角度で画面を見続けるなんてことあんまりないと思うので参考程度ですが、色味の変化や視認性の良さはMi11 Lite 5Gの方が良さそうです。
最終的には高リフレッシュレートを取るか、リッチなカラーを取るかなのでここら辺は自分の好みで選べば良いと思います。
カメラ
Redim Note 10 Proは背面に1億800万画素のメインカメラを筆頭に4つのカメラが搭載されています。
対するMi11 Liteは6400万画素のメインカメラにマクロ、超広角の3つのカメラになっています。メインカメラの画素数減少、カメラも減少だとパっと見スペックダウンしてるような気がしますが実際の所はどうでしょうか。
Mi11 Lite 5GとRedim Note 10 Proの撮った写真を比較してみます。
まずは通常カメラ
Mi11 Lite 5G |
Redmi Note 10 Pro |
左:Mi11 Lite 5G、右:Redmi Note 10 Pro |
オートで撮るとMi11 Lite 5Gの方が寒色気味のホワイトバランスです。またRedmi Note 10 Proは歪曲が少しだけ大きい気がします。
次に高画素モードです。
Mi11 Lite 5G 64MP |
Redmi Note 10 Pro 108MP |
左:Mi11 Lite 5G、右:Redmi Note 10 Pro |
高画素モードで撮影した写真をサイズを合わせてみると64MPのMi11 Lite 5Gの方がディテールがしっかりしてて解像感あるように見えます。Redmi Note 10 Proは108MPを活かすにはレンズが貧弱なのかもしれません。
次に深度カメラ無い事で影響があると思われるポートレートモードでの比較です。
Mi11 Lite 5G |
Redmi Note 10 Pro |
左:Mi11 Lite 5G、右:Redmi Note 10 Pro |
ポートレートモードは深度カメラの恩恵かRedmi Note 10 Proの方が奥のボケは綺麗に処理されてる気がします。手前側のボケはどちらも完璧とは言えない出来ですがMi11 Lite 5Gの方がいい気がします。
Redmi Note 10 ProのカメラのウィークポイントだったナイトモードはMi11 Lite 5Gではどうか比較してみます。
Mi11 Lite 5G |
Redmi Note 10 Pro |
左:Mi11 Lite 5G、右:Redmi Note 10 Pro |
若干ですがMi11 Lite 5G方がディテールが残っていて綺麗になっていますね。
最後にマクロモードでの比較です。
Mi11 Lite 5G |
Redmi Note 10 Pro |
Mi11 Lite 5Gの方が若干暗く写っているのとピント面がずれてしまいましたが解像感に関してはあまり変わりません。
こうして見るとトータルではMi11 Lite 5Gの方が画質は良いかなと思いますが凄い差があるかというとそれほどないと思います。
ちなみにリアカメラの画素数が減って深度カメラが無くなった代わりなのかフロントカメラはMi11 Lite 5Gの方が画素数が少し多くなっています。フロントカメラに力を入れるあたりMi11 Lite 5Gがどの層をターゲットにしているのか見えてくる気がします。
バッテリー
単純なバッテリー容量はRedmi Note 10 Proの方が上ですがMi11 Lite 5GはSoCのプロセスルールが微細化している為バッテリーには有利ですが実際はどうなのか比較してみます。
測定方法はいつものPCMarkベンチです。
今回の測定条件は画面輝度最大、通信系はWIFI以外は全てOFFにした状態で測定しています。
では結果です
Mi11 Lite 5G・・・8時間26分
Redmi Note 10 Pro・・・8時間59分
Mi11 Lite 5G(90Hz)・・・8時間45分 7時間14分(60Hzのままテストしてたので再テストしました)
Redmi Note 10 Pro(120Hz)・・・7時間46分
なぜかMi11 Lite 5Gは90Hzの方が電池が持つ結果に。Redmi Note 10
Proは120Hzでは電池持ちが落ち込みますが通常時はバッテリー容量の差で押し切る形でした。
充電速度はどちらも33wまでの急速充電対応となっているため充電速度はバッテリー容量が多いRedmi
Note 10 Proの方が遅いですが充電量自体は変わらないと思います。
またどちらもワイヤレス充電には非対応となっています。
通信関連
ここの部分はMi11 Lite
5Gが5G対応、802.11ax対応、みちびき対応等どれをとってもRedmi Note 10
Proを上回っています。
こういった足回りも順当に性能UPされているのはうれしい部分。
そして何より一番のうれしいところはFelica対応だと思います。シャオミのスマホでFelica対応は以前にもありましたがキャリアスマホのみでした。今回SIMフリー版でもFelicaを使えるようにしてきたシャオミの日本展開に対する本気具合を感じ取れます。
音関連
どちらもステレオスピーカー搭載でスピーカーは同等だと思いますがMi11 Lite 5Gはイヤホンジャックが有りません。有線イヤホンを使うにはUSB TYPE-Cの変換アダプタを使用する必要があります。
またMi11 Lite
5Gは日本発売のスマホではまだ珍しいBluetooth5.2に対応しています。Bluetooth5.2は複数デバイスに音声を送信できる他に、ハイレゾ対応の新コーデックLC3によって低消費電力かつ高品質の音声データの送信が出来る規格です。
こういった最新の規格にミドルレンジスマホでも対応してくるシャオミのフットワークの軽さはありがたいですね。
SIM関連
どちらもデュアルSIM対応ですがSIMトレーの形状が違います。Mi11 Lite 5GはnanoSIMが2枚のうち1枚はMicroSDカードと排他的利用となります。それに対してRedmi Note 10 Proは2枚のnanoSIMとMicroSD1枚のトリプルスロットになっています。
左:Redmi Note 10 Pro、右:Mi11 Lite 5G Mi11 Lite 5Gは裏表に入れるタイプ |
OS関連
どちらもAndroid11ベースのMIUIを実装しているのですがバージョンに違いがあります。Redmi Note 10 ProがMIUI12.5.1なのに対してMi11 Lite 5GはMIUI12.0.1で古いバージョンです。おそらくFelicaを搭載したことによりアップデートが遅れているのではないかと思われます。今後のアップデートがどうなるかわかりませんがMi11 Lite 5Gのアップデート頻度、速度はあまり期待できないかもしれません。
価格
なんやかんやここが一番重要な部分だと思います。定価で比較するとMi11 Lite 5Gは定価43,000円、対するRedmi Note 10 Proは34,800円で9,000円の開きがあります。MVNOが販売するSIMとのセット価格で買えばMi11 Lite 5Gが最安で2万円、Redmi Note 10 Proが1万円強まで値が下がりますが差はほとんど変わらずといったところです。
この差をどう見るかは様々ですが個人的には1万円も差が無いならばMi11 Lite 5Gをおすすめです。ただ端末代を少しでも安くしたいならRedmi Note 10 Proでも全然悪くない選択だと思います。
各種仕様表
まとめ
以上Mi11 Lite 5GとRedmi Note 10 Proの比較でした。個人的な感触としてはMi11 Lite 5Gの方が好感触です。Pixel4、iPhone 12 miniを使ってきて軽いのに慣れてしまった自分はやはり軽さは正義です。そして性能も妥協がなく結構よいのに加えおサイフもついるのでもうこれでいいなって感じです。
次のAndroid機はGalaxy S21 FEを狙っていたんですが発売延期の話もあったのでしばらくはメインAndorid機はMi11 Lite 5Gを使っていこうかなと思います。
Mi11 Lite 5Gを少し使って気になったポイントは下記の記事を参照。