X-T20手放してから久しぶりのFUJIFILMのカメラ
外観編
見た目はクラシカルなシンプルデザイン
先代のX-E3から可能な限り削ぎ落とせる部分を削ぎ落したボディはフラットなデザインとなっていて昔のフィルムカメラを彷彿とさせるフォルムで今だと逆に個性的な感じがします。グリップの出っ張りすら無くすのはちょっとどうなのって気はしますが全体的にはカッコいいとは思います。
背面もボタンは最小限の物のみで構成されていてシンプルです。シンプル=使い易いとは限らないんですけどね。
サイズ感は散歩カメラに丁度いい
レンズ交換式のカメラの中ではコンパクトな部類なので散歩用スナップカメラに丁度いいいです。フルサイズ機は一部を覗いてボディやレンズが結構デカいので持ち出すのが面倒な時が有るんですがX-E4だったら持ち出す気が湧いてきます。またパンケーキサイズのXF27mm F2.8 R WRやXF18mm F2 Rと組み合わせた時のサイズ感と軽さは特に良く写真を撮る楽しさを感じられます。
Nikon Z6と比較するとこんな感じ。
でもめちゃくちゃ小さいわけじゃない
一部の情報サイトの記事やネットのレビューでポケットに収まるサイズなんていわれていますが実際はポケットに収まるというにはちょっと無理があります。 下の写真はX-E4のサイズを測っている写真ですが、27mm F2.8というコンパクトレンズを付けても奥行は7cmくらいあります。
ボディ単体でもそこそこのサイズがあるのにレンズを付けたら入れるのは困難です。パンケーキレンズのXF27mm F2.8 R WRのような小さいレンズを付けて上着のデカイポケットならなんとか押し込んで入るレベルです。
使用感編
操作性は良くないのでタッチファンクションで補う
しばらく使ってみての感想ですが、サイズをコンパクトにしたことによって操作性が犠牲になったというかボタン配置が変で操作性が悪い印象を受けます。
例えばDRIVE/DELETE、PLAY、AF-L/AE-Lの3つのボタンは少し小さいし、純正アクセサリーのサムレストとの兼ね合いかファインダーに寄りすぎな気がします。ファインダーに寄り過ぎている為、左手で操作しようとするとファインダー横のアイセンサーが反応して画面が意図せずして消灯されてかなり煩わしいですし、ファインダーを覗いている時に押しにくかったりします。3つのボタンがせめてもう少しボタンのサイズ大きくて右寄りだったら右手のみでの操作がしやすかったと思います。
またDRIVE/DELETEとPLAYのボタンはAF-L/AE-Lボタンと同様に機能を自由に割り振れるカスタマイズ可能なボタンでも良かったと思います。文字もない方がもっとシンプルで良い思います。
そしてQメニューボタンがここにあるのは正直意味不明。Qメニューはよく使うのに露出補正ダイヤルとシャッタースピードダイヤルが邪魔で凄く押しづらい位置にあります。X-E3の位置もあんまり使い易そうには思えないですがそっちの方がマシなのでは?と思います。普通にAE-L/AF-Lボタンの隣かMENU/OKボタンの近くにでも付けてくれれば良かったのに・・・。
こんな感じでデフォだと正直使いづらいなと感じる部分が多いですが、液晶画面を上下左右にスワイプすると機能を呼び出せるタッチファンクションを使えばかなり操作性は改善されます。自分はQメニュー、AFモード、AF、再生を振り分けています。これだとほぼボタンを押さずに操作出来ます。タッチの反応が若干悪いのは困りものですが。。。
あと自分は動画をあまり撮らないのでそこまで困らないですが、たまに動画を撮ろうとした時に動画録画ボタンが無いので「えーと、動画撮影ってどうやるんだっけ??」ってなることがあります。動画撮影はDRIVEボタン押して動画モードを選択する必要があります。
背面ダイヤルがない分は絞り環付きレンズでカバー
X-E4には背面ダイヤルがありません。でもシャッタースピードと露出補正のダイヤルが独立してあるのとフジフイルムのレンズは絞り環が付いているものが多いので意外と困ることは少なかったです。
また前ダイヤルを押し込むことで操作する項目を3つまで切り替え可能なので思ったより使い勝手は悪くなかったです。
AFはかなりレベル高い
AFと言えば最近のソニーやキヤノンの性能は目覚ましい物がありますが、結構フジフイルムのカメラもやるなと思いました。望遠で動きもののようなのはまだ撮ってはいませんが、キットレンズのXC15-45、XF27mm F2.8 R WRとXF18mm F2 Rを使った限りでは合焦速度はそこそこ早く精度も良い印象です。
AFの性能とは関係ないですが電子接点がないMFレンズを付けた時AFモードは自動でMFになって欲しいなあと思います。
瞳・顔AFも優秀だけど普段はOFFにすることを推奨
X-E4の瞳・顔AFは人物が撮影範囲内にいる時は精度が高く、粘り強く追従するのでなかなか強力な機能ですが、いかんせん人が写っていない時は誤検出することが多く常時ONは厳しいと思います。ONのまま適当な所にカメラを向けたら人がいないところに顔検出した時の窓がよく出てきます。普通に怖いです。。。
ファインダーは十分なレベル
ファインダーのスペックはそこまで高くなく視認性もそこそこですが、このサイズのカメラなので十分なレベルかと思います。色味はデフォルトだと若干変な気がするので調整をした方がいいかなと思います。
ウエストレベルで撮ろうとすると液晶が誤作動する
ウエストレベル撮影やローアングルの撮影時に背面液晶が意図せずして上下反転する自撮りモードになることがあります。
これは画面をチルトした状態でファインダーの横にあるアイセンサーが遮られた時に画面が上下反転する自撮りモードになるような設計なので、ウエストレベルで撮影しようとしたときセンサーが体や指に誤反応して画面が上下反転することが多発します。
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誤検出するとこんな感じに画面が逆さまになります |
このままだと正直使いづらいので今後のファームウェアアップデートで自撮りモードのオン/オフ機能をつけてほしいところです。
ダイヤル操作でISO設定がしづらい
普通感度の並び順は感度Auto→拡張感度(低感度)→常用感度→拡張感度(高感度)になっていると思います。X-E4もFnキーを押して感度設定を呼び出せばその順なのですが、なぜか前ダイヤルに感度を割り振ると常用感度→拡張感度(高感度)→Autoの順になっています。
自分の使い方としては感度の上限を決めて感度Autoで撮ることが多いのですが、低感度に固定して使うことも少なくありません。なのでAuto→拡張感度(低感度)→常用感度の順だとすぐ常用感度の低感度域にたどり着けるのですが、常用感度→拡張感度(高感度)→Autoの順だとダイヤルをかなり回さないと低感度にたどり着くことが出来ません。設定値は最後まで行ったら最初に戻るようなループする仕様にもなっていないため使いづらいなと感じる場面がありました。
レンズの駆動音がうるさい
これはX-E4のせいじゃないですがフジフイルムの単焦点レンズは昔ながらのジーコジーコ動くレンズが多いので動画を撮るとAFの駆動音が思い切り入ります。動画撮るときはMFレンズやモーター音の少ないレンズを選ぶ必要があります。
実写編
JPG撮って出しがフジフイルムらしい絵作り
画質面に関して言えば自分が持っている他社のカメラと比較すると一線を画すというか独特な感じです。後でLightroomで弄らなくてもいいかなと感じるレベルに良い感じに仕上げてくれます。特に夕焼けを撮った時の写真を見るとフジフイルムらしい絵作りだなと思います。
豊富なフィルムシミュレーション
プロビアやベルビアといった今までのフィルムシミュレーションに加えて最近の機種のみに入っているエテルナ ブリーチバイパスといった12個のフィルムシミュレーションに加えモノクロとACROS用のカラーフィルター3種類ずつで合計18種類と豊富な種類があります。これに粒状感を追加してあげるとフィルムカメラっぽい写真に仕上がるので色々遊べます。
ポップコーン現象は健在
富士フイルムのX-Trans CMOSセンサーを採用しているカメラで発生する特有の現象でもあるポップコーン現象はX-E4でも健在です。
ポップコーン現象とは細部を拡大すると油絵でうずまきを書いような模様が発生する現象です。桜のような花や新緑の葉っぱ、芝などを遠景で撮った時に発生しやすいです。Googleで画像検索すると沢山作例が出てくるので分かりやすいと思います。
この現象は拡大しないと気づかない程度で済む場合も有りますが、状況によっては拡大しなくでも目につく事もあるので厄介です。
根本的な問題解決にはならないのですが、対策としては撮影設定でシャープネスを弄ったり、現像ソフトで後処理をしてあげれば緩和することができます。
まとめ
レンズキットで11万円前後と決して安い値段なわけじゃなく操作性しにくいところもありますが、質感や性能、画質はその値段分の価値はあると思います。一番の問題は値段よりも品薄で納期が数か月待ちってところでしょうか。
ちなみに4月末に買ってからしばらくは手持ちレンズはキットレンズのXC15-45mmだけだったのですが、5月になってから純正のXF18mmF2とXF27mmF2.8、そして中華レンズの35mmF1.4、12mmF2と立て続けに買って一気に5本まで増えてしまいました。数だけならメインで使ってるソニーEマウントレンズと同数に・・・。レンズ沼怖い。