Nikon Z6でEマウントレンズが使えるのか?
Zマウントの大口径ショートフランジバックを活かすマウントアダプター
Zマウントはレンズ交換式のデジタル一眼カメラの中で一番口径が大きく、フランジバックが短いマウントです。マウントが大口径でフランジバックが短いと性能が高いレンズの設計がしやすいというメリットがあるのですが、その大口径&短フランジバックを別なアプローチで活かしているのがこのTZE-01です。
TZE-01はEマウントレンズをZマウントに変換するアダプターで別マウントのミラーレス用レンズを別のミラーレス用マウントで使うのは大口径&短フランジバックのZマウント以外では実現不可能なのでZマウントならではといったアイテムです。
ただ、こういったアダプターは全く使い物にならないというのがよくあり、ネット上の評判も賛否両論という感じです。ならば自分の目で確かめるのしかないと思い中古品ですが買ってみて借りたZ6で試してみました。オークションやフリマではそこそこの値段で取引されているようなので駄目だったら売ればいいやってことで早速テスト!!
取り付け&作動確認
今回は中古品を買ったのでマウント面に多少傷がありましたが実使用上は問題ないと思います。ZマウントとEマウントのフランジバックの差は2mmしかないためこのアダプターも厚さ2mmと薄い作りになっています。
見た目は薄い金属製の輪っかに電子基板がちょろっと付いてるだけなのでかなり頼りない感じがします。
SIGMA 35mm F2 DG DNを取り付けてみるとマウントアダプターが薄いのであまり違和感がありません。
次にAFを試してみると・・・ばっちり動いてる!!
Youtubeでレビューしてる人の動画を見ていたのである程度動くのは分かっていましたが実際にEマウントレンズがZ6で普通に動いているのを見ると感動モノです。
部屋撮りした限りだとなんか普通に使えそうな感じです。
手持ちのレンズをAFを試した結果
レンズによって相性が有るらしいので早速手持ちのレンズで動作確認してみた結果は以下の通りです。(2021/01/21時点での結果なので最新FWなどでは結果が異なるかもしれません)
AF-S | AF-C | M F |
備考 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ピ ン ポ イ ン ト |
シ ン グ ル |
ワ イ ド S |
ワ イ ド L |
オ | ト エ リ ア |
シ ン グ ル |
ダ イ ナ ミ ッ ク |
ワ イ ド S |
ワ イ ド L |
オ | ト エ リ ア |
|||
Sony FE 135mm F1.8 GM | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | マウントガタついて接点ズレること あり |
Sony FE 70-200mm F2.8 GM OSS 70mm時 |
× | △ | △ | △ | △ | × | × | × | × | × | 〇 | AF-Cはピント合うがかなり遅く 実用度低い |
Sony FE 70-200mm F2.8 GM OSS 200mm時 |
× | △ | △ | △ | △ | △ | △ | △ | △ | △ | 〇 | 動作遅い |
Sony FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 200mm時 |
× | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | △ | △ | △ | 〇 | AF-C時デフォーカスからの復帰、 露出動作不安定 |
Sony FE 200-600mm F5.6-6.4 G OSS 600mm時 |
× | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | △ | △ | △ | 〇 | AF-C時デフォーカスからの復帰、 露出動作不安定 |
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN Art 24mm時 |
× | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN Art 70mm時 |
× | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
SIGMA 35mm F2 DG DN Contemporary | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | オートエリアでウォブリング大きめ |
Voigtlander APO-Lanthar 50mm F2 | MFレンズのため無し | 〇 | Mモード以外では露出がずれる | |||||||||
SIGMA MC-11 + Canon 40mm F2.8 STM | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × | × | × | 〇 | AF-Cは途中までピント合うが ウォブリングしっぱなし |
Techart LM-EA7 + オールドレンズ | 動作せず | × | シャッター切れず |
〇:普通にピントが合う
△:遅いがピントが合う
×:ピントが合わない、時間かかりすぎて実用性低い
今回試したファームウェアはこの記事を書いている時点で最新のVer4.10です。
Sony系のレンズはAFが微妙だったりマウントが緩くてズレてしまうことがあり相性悪く変な挙動するのことが多かったです。Z6で135GMが一番使いたかったのですが、マウントガタつきはレンズの故障につながるので封印しておきます。動作自体はそこそこ良かったので残念!
また注目していた200-600mmはAF-Cだとデフォーカスからの復帰の挙動が遅く、なかなか戻ってこないことあったり、EVF上の露出が白飛びしてしまったりします(撮影データはなぜか適正露出)。しかしAF-Sは快調に動くので限定的ですが使えるレベルかと思います。
SIGMAの24-70mm F2.8 DG DN Artは普通に使えそうなレベルでかなりAFが安定していました。手持ちのレンズで一番違和感なく使用できる印象です。
電子接点付きMFレンズは使えないと聞いていたのですがAPO-Lanthar 50mmF2はMモード限定で使えば使えないことは無いです。
※Aモード、Sモードは絞り値が連動しないため露出がおかしくなります。
そして全体的に共通している点としてレンズに付いてるAF/MFスイッチやカスタムボタン、絞りリングはどのレンズでも効きません。なのでAF/MFの切り替えや絞りを変えるときはボディ側で操作してやる必要があります。また、AF-C時はウォブリングが目立つ傾向でした。ボディの影響もあるかもしれませんが十分な光量を得られない暗所だったり、AFポイントを端っこの方に移動にするとAFが迷いやすいので気を付ける必要があります。
瞳AFの方はポートレート写真はまだ撮っていないのでしっかり確認出来ていませんが、人の画像合わせると一応どのレンズでも瞳を認識してはいました。
あと気になったところとして細かいですが、通常αで使用してると電源オフにした時に絞りが自動で最小絞りになるのですが、TZE-01で使用していると絞りが開いたままで電源が落ちます。センサー保護の観点で考えると絞りがずっと開いているのはちょっと気になる点かと思います。
まとめ
今回試したのは静物のみですがレンズによっては普通に使えるマウントアダプターだと思います。
自分が試したレンズでの結果やネットの評判を見るとSony純正レンズよりSIGMAやタムロンのようのなサードパーティ製レンズの方が相性が良いように思いました。手持ちで唯一使えそうな純正レンズの200-600mmは速く動くものを本気で追いかけるような撮影はキツイかもしれませんがそれ以外ではまあまあ使えるレベルで動作するので結構凄いと思います。Z6はオールドレンズ専用機にで買おうと思っていましたが、TZE-01のおかげでα7R IVのサブ機としても使えそうな気がしてきました。
ただ今回は家の中でばっかり撮っていて外で試せなかったので機会あれば外で撮ってみて、もう少し使えそうか検証していきたいと思います。