Nikon Z6とα7R IVでオールドレンズ使用時の使い勝手を比較

2021/01/19

Nikon Sony オールドレンズ デジカメ レビュー

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Nikon Z6を借りたのでα7R IVとオールドレンズ用ボディとして使った時の比較をしてみる

オールドレンズ専用機が欲しい

以前からハマっているオールドレンズ遊びですが、現在α7R IV(以下R4)をオールドレンズを使うボディとして愛用しています。ですがR4はいいカメラ過ぎてオールドレンズ遊びだと性能を持て余し気味になることや、EマウントネイティブのAFレンズを使うときオールドレンズ向けの設定にしていると使いづらいなど不便に思うことが増えてきました。

それでオールドレンズ用のカメラが欲しいと思ったので、知り合いからNikon Z6(以下Z6)を借りることができたのでR4の代替カメラになるか試してみました。


Nikon Z6を選んだわけ

実は以前はα7IIIとα7RIIIの2台持ちだったのでオールドレンズとAFレンズで使い分けていたのですが、R4を買うにあたりその2台を下取りに出してしまったのでフルサイズ機は今は1台だけとなってしまいました。

使い慣れたα7IIIの再購入も考えましたが一度売ったカメラをまた買い戻すのにちょっとした抵抗感があり別な機種を探していたところZ6が選択候補にあがりました。Z6に目を付けた理由としてはこんな感じ

①EVFが抜群に綺麗
②中古価格が良い感じに安くなってきた
③非常時にTZE-01でEマウントレンズが使えるのでサブ機になる
④新しく買うならメインで使ってるカメラと操作系が違うカメラの方が楽しい


若干後ろ向きな理由がある気もしますが初めてZ6を触った時にEVFを覗いてこれがEVFなのか!!って感動があったのが一番の理由です。ちなみにパナソニックのミラーレス一眼のGX7mk2、G9 Proも既に持っていますがセンサーサイズがマイクロフォーサーズなので焦点距離が2倍相当になってしまいます28~50mmあたりの焦点距離が主戦場のオールドレンズだと2倍はさすがにちょっと長いのでフルサイズ機にしました。

Nikon Z6をα7R IVを比較して感じたこと。

Z6を使ってみて感じたR4との違いを挙げてみました。あくまでオールドレンズで運用を前提とした違いなので一般的な感想とはまた違うと思うのであしからず。

絵作りは好み有るので一長一短

同じレンズで同じ場所で撮った写真を比較をしてみました。撮影設定はSS1/3、絞りF8、ISO100、色温度が白優先オート、クリエイティブスタイル(Z6はピクチャーコントロール)設定はどちらもスタンダードで撮影、DRオプティマイザーなどの機能はすべてオフにした撮って出しjpgでの比較です。使用したレンズはSuper Takumar 55mm F1.8です


まずはR4から


次にZ6

Nikonのカメラは地味な色味って印象だったんですがZ6はデフォだと結構派手な仕上がりですね。R4は若干暗く感じます。

ちなみにホワイトバランスをグレーカードに合わせて調整してみるとこんな感じです。

α7R4

Z6

どっちが好みでしょうか?

2450万画素は丁度いい

オールドレンズで使うには4000万画素以上のa7R3やZ7でも多いと感じるのに6100万画素はさすがに過剰過ぎる気がします。6100万画素を活かしきる性能を持つオールドレンズなんてそうそうないと思います。(あったとしてもきっと高い)。

また6100万画素となると非圧縮RAWだと1枚120MBという巨大ファイルになるのでストレージ容量バカ食いしてしまうため、256GBのSDカードでも2000枚しか撮れないですし、PCへ転送するのにも時間が掛かるという弱点もあります。圧縮RAWで撮ることも考えましたがR4はロスレス圧縮に対応していないため圧縮RAWで撮影するとデータの欠けが出来てしまいます。それが画質にどの程度影響するかどうかは微妙なところですが気分的にあまりしたくはないところです。

対してZ6のRAWデータは2450万画素でファイルサイズはそこまで大きくないのに加えロスレス圧縮に対応しているのでファイルサイズを小さくできるので取り回ししやすく、メモリーカードに優しいのでちょうどいいと感じます。

ピント拡大したときに難あり

オールドレンズ遊びするのによく使う機能といえば拡大表示ですがZ6はそれにちょっと難があります。

まずZ6は拡大ボタンが背面の下の方にあるのでファインダーを覗いたまま拡大ボタンを押すのが結構つらいです。


またZ6の方はシャッター半押しで拡大が解除ができません。これが地味に辛いです。また拡大縮小ボタンがファインダー覗きながらだと押しづらい位置にあるのでピントがズレやすくなります。オールドレンズ用ボディとしてはこの仕様は微妙なポイントです。R4はカスタムボタンがたくさんあるため押しやすい位置にカスタムボタンを割り振ることができ、シャッターボタンを半押しすると拡大表示が解除される使いやすい仕様です。

自分は苦肉の策ではありますがAF-ONボタンに拡大表示切替を割り振ってみました。

これだとAF-ONボタンを押すたびに拡大表示⇔通常表示の切り替えができるのに加え、AF-ONボタンは押しやすい位置にあるので比較的使いやすくなりました。親指AF派なのでAFレンズが使い勝手に影響ありそうですが、Z6はオールドレンズ専用で運用予定なのでAFボタンが潰れてもOKです。

あともう一つZ6の拡大表示で気になるポイントがあって、拡大表示したときにEVFのフレームレートが落ちカクカクするのは気になりました。

とはいえファインダーの映像は綺麗なので拡大無しという手も

Z6が圧倒的に優れていると思う点はEVF上の映像の自然さです。R4のEVFは576万ドットのOLEDを採用していて384万ドットのZ6に対してスペック上では勝っていますが実際に見た印象ではEVF感が強いです。Z6はあんまりEVF感が無くOVFに近い印象を受け自然な感じに見えます。細かい部分の解像感もピント合わせするには十分なので割り切ってピーキング合わせての運用でもある程度のピント精度は保たれそう感じがします。

カスタマイズ性は低め

カスタマイズ可能なボタンの数がZ6は6個なのに対して、R4は11個とかなり多くカスタマイズ性が高いです。(※レンズについているカスタムボタンを含めず)

オールドレンズ遊びしてると意外とカスタムボタンを使うことが多いのですがZ6はカスタマイズの柔軟性が低いのが少し残念です。R4の方はボタンが多く割り振れる機能の種類も豊富で使い勝手はかなり良いです。

レンズ情報設定のしやすさは一長一短

電子接点のないレンズ使う場合、手動でレンズ情報をカメラに教えてやることであとからExifを見て焦点距離いくつのレンズを使ったかどうかが分かるだけではなく、ボディ内手振れ補正が適切に効くようになります。

Z6はこの焦点距離の設定がプリセット方式であらかじめ決めたレンズの焦点距離と解放F値を設定しておいてカスタムボタンから呼び出せるように設定できます。プリセットの設定を変えるにはメニューからしかできないので若干柔軟性に欠けます。

R4は焦点距離の設定をこんな画面から選ぶ仕様で焦点距離をすぐ変えることができますF値は設定できません。

ちなみにZ6は一般的な焦点距離(たぶん今まで発売したニッコールレンズの焦点距離のみ)、R4は5mm刻みなので29mmとか37mmとか52mmなど微妙な焦点距離だと設定できない場合がどちらの機種にもあります。

Z6はチルトしたとき影に入るとモニターが消える

R4は背面液晶をチルトしている時はファインダーに付いているセンサーが自動でオフになる仕様の為、センサーを遮っても背面液晶が消灯されることはありません。これは当たり前といえば当たり前の仕様で画面をチルトした状態でわざわざファインダーを覗く人はいないからです。しかしZ6は画面をチルトしてもセンサーがオフになりません。

これで何が起こるかというと画面をチルトさせてライブビューを見ながらローポジションやウエストレベルで写真を撮ろうとしたとき、自分の体やネックストラップでファインダーを遮ってしまうと画面が消えて何も見えなくなります。ファインダー横のボタンでセンサーオフにもできますが手動でいちいちオンオフするのは煩わしい作業としか思えないのでマイナスポイントです。

ちなみに後継機種のZ6IIはこの仕様が改められチルト時に自動でセンサーオフするようになったようです。Z6もファームウェアアップデートで改善して欲しいところです。

マウントアダプターの種類はほぼ互角

マウントアダプターの種類に関しては先行して展開していたEマウント用が豊富なイメージですがZマウント用も既に色々なマウントに対応したアダプターが発売されていて一通りのレンズが使えるようになっています。Eマウント用としてあったライカMマウントレンズをAF化するマウントアダプターも既にZマウント用が発売されていてあまり差は無いと言えます。

強いて言えばEマウントではペンタックスKマウントやContaxNマウントのレンズでAFが効くアダプターやニッチなアダプターがあるので若干対応レンズの種類はEの方が多いです。

ただZマウントにはTZE-01というEマウントのAFレンズをZマウントで使えるようにする変態マウントアダプターが発売されていて、もしかしたらそれらのアダプターもTZE-01を介せば見込みは薄いですがAFが使えるようになるかもしれません。

ボディ内手振れ補正の効きは同じくらい

仕様上ではR4は5.5段分、Z6は5段分の手振れ補正の効果あるということなのでスペック上はR4の方が性能がいいことになります。しかし実使用で試した限り体感は同じくらいでした。例えば50mmのレンズを使った場合どちらのボディも自分がブレずに撮れる限界は1/4くらいで3と2/3段分くらいの手振れ補正効果でした。(※R4は鑑賞サイズをZ6と同等サイズにした場合)

巷に聞く周辺画質の良さ

デジカメのイメージセンサーは表面を薄いカバーガラスで覆われており、レンズを通した光がこのカバーガラスを通るときに微妙に屈折して撮影結果に影響が出る事があります。一眼レフ用のレンズであれば大概は無視できるレベルだとは思いますが、レンジファインダー用の広角レンズは色被り、周辺画質の劣化など強い影響を受ける事が有ります。

ニコンZのカメラはこのカバーガラスがソニーαシリーズよりも薄いためレンジファインダー用レンズでも画質劣化の影響が少ないと巷では言われています。というわけで本当にZ6が優秀なのか試してみました・・・・・・と言いたいところですが、レンジファインダーの広角レンズはまだ持っていないので試すことが出来ません。なのでオールドレンズ界で有名な澤村徹氏の記事からZ6とα7IIIの比較結果を引用。

NIKON Z 6 WITH HOLOGON T* 16MMF8 ニコンZ6で萌えよホロゴン

これを見る限り色被り、周辺の流れ共にZ6の方がよさそうですね。比較対象がα7IIIなのでR4だとどうなるか分かりませんが、センサーガラスの厚みを変えると光学系が変わってしまい既存レンズとの整合性が取れなくなってしまうのでR4でもその傾向は同じかと思います。

(追記:α7R IVを分解解説しているサイト曰くセンサーの厚みは1.75mmでZ6の1.1mmにはやはり程遠い模様)

シングルスロットでも問題なし

Z6が発売された当時批判されていたことがメモリーカードがシングルスロットだった点です。シングルスロットの場合トラブルがあった場合の保険が効かないのでコアなカメラユーザーや仕事で使うユーザーからの批判コメントはよく見かけました。一眼レフ時代の上位機種はダブルスロットだった事に加えライバル機でもあるα7IIIはダブルスロットだったので尚更批判対象になったんだと思います。

このクラスのカメラでもダブルスロットが欲しいというのは分からないでもないですが、自分の場合趣味でオールドレンズ遊びしてるだけなのでシングルスロットでもいいかなと思ってます。仕事の撮影というわけじゃないのでデータが飛んだらヤバイって写真はほぼないですからね。ちなみに後継機のZ6IIはしっかりダブルスロットに対応しています。

まとめ

Z6をヨドバシやビックなどのカメラコーナーで触った程度の印象としてはR4やα7IIIよりオールドレンズメインで使用するのであればそんなに使い勝手が良くないなという印象でした。しかし、今回長く使えたので自分流でカスタマイズして使いこんでみると意外と悪くなくR4でオールドレンズ遊びしていたときと遜色無いレベルと感じるようになりました。
ただしチルト時のファインダーの挙動とシャッター半押しでの拡大解除の件についてはR4の方が断然使い易いポイントです。ファームウェアアップデートで改善できそうなのでなんとかしてほしいところですが全く使えないことはないので妥協しています。

多少の不満はありつつも初めて触った時から感じていたファインダーの綺麗さは今回改めてかなり良いと思ったので他に大きな問題がなければZ6買ってみようかと思ってます。

自己紹介

とんがり(@Tongari_gadget)

普通の会社員をしながらスマホを中心としたガジェットやデジカメ、オールドレンズについてのブログを書いています。

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