Luminarの新型は使えるのか
Luminar Aiは人工知能を搭載した未来のソフト
Luminar Aiは人工知能を搭載したソフトで撮影した写真をAiで解析し、良い感じの写真に自動で編集してくれるという話だけ聞いたら夢のようなソフトです。Luminar自体は従来ソフトのLuminar 4が結構話題になっていて、特にYoutuberにばら撒いていたのかやたらYoutubeで絶賛されていました。Luminar 4は気になっていたものの体験版を使ったとき動作が重すぎてこれは駄目だと思い購入は見送っていましたが、Luminar Aiは軽くなったという噂を聞いたので思い切って今回先行予約で買ってみました。
まだ、少しの使用ですがちょっと気になる事が多かったのでつらつらと書いていきます。
Luminar 4より多少動作が軽くなった気はするが・・・
Luminar 4を初めて触った時はめちゃくちゃ重いソフトだなと感じたのですが、Luminar
Aiは多少軽くなった気がします。(Luminar
4がどんな動作してたのか遠い記憶ですが・・・)
写真のカタログ画面とかはある程度軽快に動きます。でも編集画面はやはり動作が重いです。特に写真を拡大縮小するたびに画像再読み込み、拡大箇所を移動したら再読み込み、何かパラメータ弄ったら再読み込みといった感じにいちいち再読み込みが入るのがかなりイラつくポイントです(それも読み込み時間はそれなりにある)。出来の悪いオープンワールドゲームやってるみたいです。自分が使ってるカメラが高画素機というのもあると思いますが相当スペックの高いPCでやれば違うんでしょうかね。
→購入後ちょうどメインPCのCPUをRyzen 5600X、SSDをSamsung EVO980に更新するタイミングだったの動作が軽くなるか試してみたところ画像の表示はかなり早くなりましたが拡大縮小、拡大した位置の移動でいちいち再読み込みされるのは変わらずなので快適動作というまでには感じませんでした。タスクマネージャー見てるとマルチコアうまく使えてない感じがします。
というわけでCPUはシングルスレッド性能が高いRyzen
5900X、写真保管場所はSamsung
EVO980でRaid0組んだらもっと高速で動くようになるかもしれません。そんなのやる気しないですが。
テンプレートは豊富
テンプレートとはプリセット機能で様々な場面に使えるようになっていて、デフォルトで用意されているテンプレートは場面ごとに分けられていて種類豊富です。
さらに追加テンプレートを購入すれば使用できる数は増えますが何気に高いので揃えようと思ったら結構お金がかかります。といっても自分で作ったテンプレートも保存できるので初期のテンプレートだけで追加で買わなくても困る事は無いと思います。
自動補正特化なUIが使いづらい場面も
AIによる自動補正が売りなのでそういう風に作ってる部分もあると思いますが細かい補正をしようとすると途端に操作しづらいUIです。まず日本語翻訳が怪しいので何がどこにあるのかが凄く分かりづらいです。英語表示の方がまだ使いやすいかもしれません。
これはまだわかりやすい方 |
他にもそれぞれの補正項目の適応量のスライダーがホイールで操作できない、カタログのスクロールバー細すぎてドラッグ出来ないなどなどなど・・・・・UIのイマイチポイントが多いです。
あとたまに間違ってクリックしたわけでもないのに全く別の違うものが選択されているなんてこともありました。ちょっとお粗末と言わざるを得ない出来です。
プレビュー回りが適当
ウインドウ内に収まる様に表示してテンプレートを適応させるとなんか全体的にモヤっとしたプレビューになります。最初小さい画像を拡大したみたいな画像だったのでピンボケ写真量産したかと思いました。(等倍などに拡大するとシャープなプレビューになる)
またテンプレートを適応させた写真はカタログやフィルム上のサムネイルと実際の画像でかけ離れた色しています。
こんな感じです。
左がサムネ画像で右が実際に開いた画像 |
色が違い過ぎていちいち開いて確認する必要性がありサムネの意味が半減しています。
Lightroomも似たような現象ありますが画像を開くか時間が経つとサムネにちゃんと編集結果が反映されるのでそこまで気にならないです。
テンプレートを複数枚に適用する時に個別適応されない
複数の写真に同じテンプレートを適応させること自体は「調整の同期」を使えば出来ます。
例えば写真A、B、C、Dが有り写真Aにテンプレートを適応させ残りの写真B、C、Dにも同じテンプレートを適応させたい場合、写真A、B、C、Dを複数選択し写真A上で右クリックをして「調整の同期」をすればそれぞれの写真に同じテンプレートを適応させることが出来るといった感じです。
しかし、この「調整の同期」は複数枚同時に同期をすると色温度や露出、その他色々な設定は1枚目に選んだ写真の設定をそのままコピーするだけです(つまり本当に同期するだけ)。2枚目の以降の写真は1枚目の調整内容に引っ張られることになるので、1枚目と2枚目で色味が違う場合だと2枚目はかなり変な色になります。
これを防ぐにはどうしたらいいかというと一枚一枚手動でテンプレートを適応させるか、似たような写真だけを選んで同期するしかないです。
調整の同期で一括処理させた写真と一枚毎同じテンプレートを適応させた写真の比較です
1段目 元画像、2段目 一括適応、3段目 個別適応 |
これはわざと分かりやすい画像で試していますが、一括でしたときと個別でしたときで差が有りすぎます。一枚一枚個別に処理してくれるバッチ機能があればよかったのですがLuminar Aiには搭載されていません(ググるとLuminar 4にはあったらしいですがその機能を使った事ないので詳細は不明)。いくら補正がAi自動化されていてもそれを手動で写真を一枚一枚開いて補正をしてあげなきゃいけないのでは今までのソフトとたいして変わらないのではないのでしょうか。
肝心のAi補正の出来はどうか
ぶっちゃけ風景、スナップ写真の自動加工なら有名所のスマホアプリでフィルター掛けた方が良い感じに加工してくれるのではないかと思いました。
また動作が不安定だったり、Aiでの補正結果も完全ではないので微調整しないといけないですし、レンズ毎の収差補正を自動でしてくれないので最近の電子補正が前提として設計されたレンズを使用した場合は時間がより多く掛かると思います。なので結局のところ最初からLightroomなどで現像したほうが早い気もします。 。。
悪いと事ばっかり言うとアレなので良いところを挙げるとすればポートレートの美肌化、体型補正などはそれなりに使えるレベルなのでさっと済ませるには便利だと思います。今のところLightroomでポートレート写真用プラグインとして使うというのが良い落としどころでしょうか。(あれ、それならLuminar 4でもいいのでは?)
まとめ
2台分のライセンスで1.2万円という価格ですが、今の出来ではそれほどの価値は無いっていうのが率直な感想。
写真管理で使うにはLuminar Aiと比較してLightroomの方が動作が軽く、機能もしっかりしていて圧倒的に使い易いですし、現像の手間に関しても結局は微妙な手直しは必要でそこまでAiでの自動化の恩恵を受けられている気がしません。むしろLuminar AIを使うことでLightroomの出来の良さを改めて実感しました。
YoutuberがLuminar Aiを動画でやたらと絶賛していますが、その人たちも普段は絶対LightroomとかPhotoshop使ってると思います(笑)
こういったソフトで後から無理くり弄るよりも、後から大きく弄らなくてもいいような写真を撮れるように工夫した方が撮影テクも上がって良い気がします。ある意味そこに気付かせてくれた点では良ソフトだと思います(笑)
とりあえず購入後30日以内であれば返金が可能らしいのでもう少し使ってみてダメそうならば返金申請しようかと思います。
→結局あまりの使い心地の悪さに耐えらなくなったので返金してもらいました。完。